こんにちは。山形の税理士、林です。
このページでは固定資産税に関する次のご相談にお答えしています。
現在、賃貸アパートに住んでいます。
今年中(2022年12月31日まで)に山形市内の新築建売を購入して入居する予定です。
不動産の所有者になると固定資産税を支払わなければならないそうですが、いくらかかるか不安です。新築住宅や建築用の土地を買った場合は、固定資産税が安くなる特例があると聞きました。
詳しく教えてください。
分かりました。
- 固定資産税の概要
- 住居用不動産にかかる固定資産税が安くなる特例制度
- 2500万円の建売を買った時の具体的な計算シミュレーション
について解説します。
細かい話はぬきにして2500万円の建売を買った時の税額を知りたい方はこちらをクリックしてください。該当の部分に飛びます。
固定資産税の概要
固定資産税は、土地・家屋(以下、固定資産といいます)を所有している人に、その固定資産の評価額に応じて課税される税金です。
この固定資産税は、その年の1月1日時点の所有者に毎年課税されます。
山形市から送付される納税通知にしたがって、原則として4月、7月、12月、翌年2月の4回に分けて納税しなければなりません
税額は次表の算式により計算されます。
- 課税標準額…税率をかけて税額を計算する元となる金額のこと。固定資産税評価額を元に一定の調整を加えたものです。
- 固定資産税評価額…総務大臣が定めた固定資産税評価基準に基づいて市町村長が決定した固定資産の価格のこと。税額計算の基準になる価格です。
- 固定資産税評価額は、市町村長によって3年ごとに評価替え(評価額の変更)されます。
- 直近の評価替え年度は令和3年度でしたので、次回の評価替え年度は令和6年度(2024年4月1日~2025年3月31日)になります。
- 都市計画税額…原則として「市街化区域」内に所在する土地や家屋に対しては、固定資産税にプラスして都市計画税が課税されます。固定資産税と併せて納税する必要があります。
- 市街化区域…都市計画法による都市計画区域のうち、市街化を目的とした地域のことです。建築物が数多く建築されているイメージです。
固定資産税が安くなる特例制度
新築一戸建てを購入した場合、固定資産税の計算をする上では、住宅(家)にかかる税金と住宅用地(土地)にかかる税金を分けて計算します。
住宅用地(土地)の特例
土地については、住宅用地の固定資産税評価額に次表の特例率をかけて課税標準額を求めます。これにより税負担が軽減されます。
小規模住宅用地…住宅の敷地で住宅1戸について200㎡までの土地をいいます。
一般の住宅用地…住宅1戸について200㎡を超え、住宅の床面積の10倍までの土地をいいます。なお、10倍を超える部分の土地については、住宅用地の特例はありません
新築住宅(建物)の固定資産税の減額
2024年3月31日までに新築された住宅で、次の①と②をどちらも満たす建物は、120㎡までの住宅部分に相当する固定資産税の2分の1相当額が3年度分減額されます。
- 床面積…50㎡以上280㎡以下
- 居住割合…居住用部分の割合が2分の1以上であること
なお、住宅用部分の床面積が120㎡を超える場合は、120㎡までの部分が減額されます。
具体的な計算シミュレーション
仮定の事例にあてはめて、具体的に計算してみました。
<事例の前提>
新築建売の購入価格2,500万円(内訳 土地1,000万円、建物1,500万円)
固定資産税評価額1,750万円(内訳 土地700万円、建物1,050万円)
市街化区域に所在。建売家屋の床面積は120㎡、全面積が居住用。敷地は200㎡。
2022年12月31日までに購入して入居予定
<土地>
①固定資産税
700万円×1/6(※1)=1,166,666円→1,166,000円(課税標準額)
1,166,000円×1.4%=16,324円→16,300円
※1 住宅用地の特例率 基本的にはずっと6分の1に減額される
②都市計画税
700万円×1/3(※1)=2,333,333円→2,333,000円(課税標準額)
1,166,000円×0.3%=6,999円→6,900円
※1 住宅用地の特例率 基本的にはずっと3分の1に減額される
<家屋>
①固定資産税
1,050万円(固定資産税評価額=課税標準額)
1,050万円×1.4%×1/2(※2)=73,500円
※2 「新築住宅(家屋)の固定資産税の減額」により3年間だけ50%減額される
②都市計画税
1,050万円(固定資産税評価額=課税標準額)
1,050万円×0.3%=31,500円 ※特例なし
シミュレーション結果
山形市内の2500万円の建売を買うと、初年度は合計で13万円くらい固定資産税がかかることが分かります。
まとめ
住宅用地(土地)は「課税標準の特例」により、長期間にわたり税負担が軽くなっています。新築住宅(家屋)は「固定資産税の減額」により、3年間だけ税負担が軽くなっています。
国をあげてマイホーム購入を応援しているわけですね。
以上、参考になさってください。 林伸幸
【免責事項】
本稿は執筆時点の法令にしたがっていますが、すべての適用要件を網羅的に記載したものではありません。本稿により損害が生じたとしても一切責任を負いません。
特例の適用にあたり、税理士や税務署など責任を持ってアドバイスしてくれる専門家に必ず相談してください。
山形にマイホームが欲しい!あなたを応援します。
>>>ご相談やご質問はこちら
>>>ちょっとした相談はこちら 匿名OK!
山形県内の方はメールや電話でも大丈夫ですが、県外の不動産に関するご相談は必ず上のフォームからお願いします