不動産の売買契約後、建物が地震で倒壊してしまったら・・・

失敗しない土地の買い方

I love Yamagata.コグチ(@ilv_co)です。
 コグチヒデキ

クイズです。

Aさんは、3,000万円の建売住宅を購入する契約をしました。

契約時に手付金300万円を売主に支払い、残りの2,700万円は引渡し時に支払うことで合意しました。

ところが契約後、物件の引渡し前に地震が起きて、建物が全壊してしまいました。

この場合、Aさんは売主に2,700万円を支払わなくてはいけないでしょうか?

危険負担

売主・買主どちらの責任でもない原因(天災地変など)によって物件が滅失したときのリスクをどちらが負担するか?

このことを「危険負担」と言います。

売買契約を結ぶときに、この「危険負担」について何も決めていなかった場合は、民法上、危険負担は買主が負うことになります。(民法:534条)

つまりAさんは、全壊してしまった不動産に対して、残りの2,700万円を支払わなくてはならないわけです。


・・・ちょっと、かわいそうな気がしますよね。

で、じつは上の例は、「危険負担」について何も決めていなかった場合の話。

通常は、「危険負担」について契約書に記載した上で契約を交わします。



例えば、当社が使用している全日本不動産協会の売買契約書案には、次のように記載されています。

第9条(危険負担)

引渡し日までに、本物件の全部又は一部が、天災地変その他当事者の責めに帰さない事由により、滅失又は毀損した時は、その損失は売主の負担とし、本契約の取扱いは次の各号によるものとします。但し、この場合、買主は売主に対し損害賠償の請求をしないものとします。

1.滅失の場合は、買主又は売主は本契約を解除し、売主は滅失時において受領済金員の全額を無利息にて買主に返還します

2.毀損の場合は、売主は自己の負担において本物件を修復して買主に引渡すものとし、修復に要する期間を限度として引渡し期限が延期されることについて、買主は異議なく認諾するものとします

3.前号の場合、毀損の程度が甚大で修復に多額の費用を要すると売主が認めた時は、売主は本契約を解除し、第1号の規定により処理することができるものとします

売主の責任で修復して引き渡すことや、修復が困難な場合の契約の解除について記載しています。

実際の取引では、買い手のリスクが軽減されていることが分かりますね。


以上、参考にしてみてください。



追伸

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